「犬にもビタミンCは必要?」と愛犬の健康が気になる飼い主さんは多いのではないのでしょうか?人間と違い、犬は体内でビタミンCを自ら合成できる能力を持っていますが、年齢やストレス、健康状態によっては追加サポートが必要なケースもあります。
この記事では、犬の体内でどのようにビタミンCが合成されるかメカニズムやサイズ別の適切な摂取量、過剰摂取のリスクと対処法、そして安全に与えられるビタミンC豊富な食材について解説します。
この記事を読んで分かること
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目次
犬にビタミンCは必要?犬にビタミンCを与えるメリットとは
犬は基本的に体内でビタミンCを合成できるため、通常は追加で与える必要はありません。人間と違って、犬の肝臓には自らビタミンCを生成する能力があるのです。しかし、さまざまな状況によってはビタミンC補給が役立つ場合があります。
具体的には以下のようなものがあります。
効果 | 説明 |
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免疫力向上 | ビタミンCには免疫力を向上させる効果が期待できます。 |
がん予防 | 胃がん、肺がん、口腔がん、のリスク減少との関連が報告されてます。 |
鉄分吸収 | ビタミンCが、貧血や免疫力低下の原因となる鉄分不足を解消してくれます。 |
参考:【獣医師執筆】犬にビタミンC(アスコルビン酸)は必要?過剰摂取で起こる症状や必要量を解説 | ペトコト(PETOKOTO)
以上のとおり、ビタミンCはさまざまな病気のリスクを低減させる効果があります。これにより、愛犬とより健康で、より長い時間を一緒に過ごせるでしょう。
必要なビタミンC量を犬のサイズ別に解説!
犬にビタミンCを与えることは健康維持に役立ちますが、犬のサイズによって必要な量が異なるため、適切な摂取量を知っておくことが大切です。
以下の表は、犬のサイズと活動量に応じた1日のビタミンC推奨量を示しています。
犬のサイズ | 運動量が少ない犬 | 活動的な犬 |
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小型犬 | 500mg/日 | 1,000〜1,500mg/日 |
中型犬 | 1,500mg/日 | 3,000〜4,500mg/日 |
大型犬 | 3,000mg/日 | 6,000〜9,000mg/日 |
参考:その理由は… ビタミンCの不足かも? | appledogblog
これらの数値はあくまで目安であり、犬の個体差(体質、健康状態、年齢など)によって必要量が変動することがあります。特に、以下の状態ではより多くのビタミンCを必要とする場合があります。
- 高齢犬
- 病気から回復中の犬
- ストレスの多い環境で生活している犬
獣医師に相談し、愛犬の状態に合わせた適切な摂取量を決定することが推奨されます。また、次の見出しで説明されるように、過剰摂取には注意が必要です。
過剰摂取に注意!与えすぎたデメリットとは?
愛犬に適切な量のビタミンCを与えることは健康維持に役立ちますが、過剰に摂取させると健康上の問題を引き起こす可能性があります。そのため、過剰摂取によるリスクについて理解しておくことが重要です。
米国獣医栄養学専門医が監修しているPETOKOTOの記事によると、ビタミンCの過剰摂取により起こりうる問題には、以下のものがあります。
- 尿路結石(特にシュウ酸カルシウム結石)のリスク増加
- ビタミンCがシュウ酸に代謝されることによる結石形成
- シュウ酸の増加による腎臓病のリスク
ビタミンCは過剰な分は尿として排出されやすく、一般的に他のビタミンと比較して過剰摂取のリスクは低いと考えられています。しかしながら、長期間にわたり過剰な量を与え続けることは避けるべきです。
愛犬の健康を守るためには、適切な量のビタミンCを与えるとともに、与えすぎに注意することが大切です。懸念がある場合は、獣医師に相談することを推奨します。
犬も食べれる!ビタミンCが豊富な食べ物一覧
以下の表は、犬でも食べることができるビタミンCが豊富な食べ物の一覧表です。
愛犬の健康維持のために、自然な形でビタミンCを摂取させたい場合、さまざまな果物や野菜が選択肢となります。
以下は、犬が食べても良いとされるビタミンCが豊富な食べ物の一覧表です。
食材名 | ビタミンC含有量(100gあたり) |
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キウイ | 140mg |
柿 | 70mg |
イチゴ | 62mg |
オレンジ | 60mg |
ピーマン | 200mg |
ブロッコリー | 120mg |
モロヘイヤ | 65mg |
ほうれん草 | 60mg |
これらの食材は、愛犬のおやつや手作りご飯に取り入れることができます。犬の体に優しい自然なビタミンC源となるでしょう。ただし、総合栄養食にトッピングしたり、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内に抑えるよう注意してください 。
また、与える際には、以下の点に気をつけましょう。
- 最初は少量から始め、犬の反応を注意深く観察する
- 消化不良やアレルギー反応がないか確認する
- 種や皮、芯など食べられない部分は必ず取り除く
- 適切なサイズに切り分けて与える
ビタミンCが豊富な食材を愛犬の食事に取り入れる際は、食事全体の栄養バランスを考慮することが大切です。主食となるドッグフードの栄養バランスを崩さないよう、適量を心がけましょう。これらの食材を上手に取り入れることで、愛犬の健康維持をサポートできます。
特におすすめ!ビタミンCが豊富な食べ物3選
愛犬にビタミンCを与える際は、健康リスクが低く栄養価の高い食材を選ぶことが大切です。すべての食べ物が同じように適しているわけではないため、特におすすめのビタミンC豊富な食べ物を3つご紹介します。
【編集部イチオシ!:キウイ】 |
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キウイは優れたビタミンC源です。100gあたり140mgという高含有量を誇り、とても効率的にビタミンCを摂取できます。ただし、果肉部分のみを与え、糖度が高いため、肥満や糖尿病が心配な犬には量に注意が必要です。 |
【栄養満点!:ブロッコリー】 |
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ブロッコリーも、自然のビタミンC源として非常に優れています。100gあたり120mgものビタミンCを含み、さらに食物繊維も豊富で消化器官の健康もサポートします。与える際は茎や葉を小さく切り、最初は少量から始めましょう。一部の犬では軽い胃腸の不調を引き起こす可能性がありますので、様子を見ながら量を増やしていくのがおすすめです。 |
【甘くておいしい!:カボチャ】 |
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文部科学省食品成分データベースによると、カボチャも犬のビタミンC補給におすすめで、100gあたり43mgのビタミンCを含んでいます。消化に優しく、下痢や便秘の改善効果も期待でき、ビタミンAやEなども豊富で総合的な栄養価が高い食材です。与える際は硬い外皮を取り除き、果肉部分だけを与えるようにしましょう。 |
これらの食材はどれも犬の健康をサポートする優れた選択肢ですが、主食のドッグフードを補完する目的で適量を与えるように心がけてください。
手軽に取れる!犬用のビタミンCサプリ
愛犬に十分なビタミンCを与えるのが難しい場合や、健康状態によって追加の補給が必要な時は、犬用ビタミンCサプリメントが便利です。
サプリメントの最大の利点は、摂取量を正確に管理できることです。食品からでは摂取量を把握するのが難しいですが、サプリメントならば獣医師の指示通りの量を確実に与えられます。特に高齢犬や健康に問題のある犬には重要なポイントです。
また、サプリメントなら高濃度のビタミンCを少量で効率よく摂取できます。食欲が落ちている犬や食事制限のある犬にとって大きなメリットです。さらに、高齢犬用、ストレス緩和用、免疫力強化用など、犬の状態に合わせた製品から選べるのも魅力です。
ただし、サプリメントを使う際は必ず獣医師に相談し、適切な製品と量を決めましょう。過剰摂取を避けるため、指示された用量を守り、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。サプリメントはあくまでバランスの取れた食事を補完するものとして活用するのが最善です。
まとめ
犬とビタミンCの関係について、重要なポイントをおさらいしましょう。以下の表は、この記事で紹介した内容の早見表です。必要に応じて参考にしてください。
※クリックすると展開されます。
犬のサイズと活動量別 1日のビタミンC推奨量+
犬のサイズ | 運動量が少ない犬 | 活動的な犬 |
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小型犬 | 500mg/日 | 1,000〜1,500mg/日 |
中型犬 | 1,500mg/日 | 3,000〜4,500mg/日 |
大型犬 | 3,000mg/日 | 6,000〜9,000mg/日 |
参考:その理由は… ビタミンCの不足かも? | appledogblog
ここで覚えていただきたいのは、犬のサイズによって必要なビタミンCの量が異なるということです。例えば、小型犬に大型犬にとって適切な量のビタミンCを与えてしまうと、過剰摂取になる可能性があります。愛犬にとって適切な量を把握し、与えるようにしてください。
犬が食べられるビタミンC豊富な食材+
食材名 | ビタミンC含有量(100gあたり) |
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キウイ | 140mg |
柿 | 70mg |
イチゴ | 62mg |
オレンジ | 60mg |
ピーマン | 200mg |
ブロッコリー | 120mg |
モロヘイヤ | 65mg |
ほうれん草 | 60mg |
※参考:くだもの食べ物ナビ
※参考:金の動物病院コラム
ここで重要なのは、食事全体の栄養バランスを最も大切にするということです。あくまで主食であるドッグフードの補完として与えてください。
どのような方法でビタミンCを与えるにしても、新しい食べ物やサプリメントを始める際は獣医師に相談し、愛犬の健康状態に合わせることが大切です。適切なビタミンC摂取で、愛犬の健康と長生きをサポートしていきましょう。