老犬が落ち着きがないと感じることは、加齢による自然な変化だけではなく、ストレスや病気のサインである可能性があります。例えば、運動していないのに息が荒い、ウロウロと歩き回る、夜になかなか寝付けないといった症状が見られた場合、何らかの原因が考えられます。本記事では、老犬が落ち着かない主な原因と、それに対する具体的な対処法を詳しく解説します。
- 老犬が落ち着きがなくなる原因について
- 「息が荒い」「ウロウロする」「寝付けない」時の対処法
- 緊急性の高い症状の見極め方
愛犬に対してこんな印象はありませんか?
目次
老犬に落ち着きがない時の原因と対処方法
老犬が落ち着きがないと感じる場合、その原因にはさまざまなものが考えられます。
愛犬にこのような症状はありませんでしょうか?
- 運動してないのに息が荒い
- ウロウロと歩き回り落ち着きがない
- 夜になかなか寝付けていない
この症状は年齢による変化だけでなく、ストレスや病気のサインである可能性もあります。飼い主は愛犬の状態をしっかりと観察し、適切な対処を行うことが重要です。
老犬が落ち着かない際によく見られる3つのサインからそれぞれの原因や対処方法を解説します。
「息が荒い」考えられる原因
老犬が息を荒くする原因には、ストレス、暑さ、痛み、病気などが挙げられます。特に、心臓病や呼吸器疾患が原因の場合、放置すると深刻な状態に陥ることもあるため、「息が荒い」と感じた場合には注意が必要です。
▼原因と具体例
原因 | 具体例 |
---|---|
ストレス | 雷や花火の音、人が多い環境、長時間の留守番 |
暑さ |
室内温度が高すぎる、熱中症の初期症状 |
痛み |
関節炎、歯の痛み、消化器系の不調 |
病気 | 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)、呼吸器疾患(気管虚脱、肺炎など) |
息が荒い時には、このような原因が挙げられます。ストレスや暑さによる原因に対しては、環境による影響が大きいため、まず環境を見直してみましょう。それでも症状が収まらない場合は体調不良や病気の可能性があるため、獣医師に見てもらうことをおすすめします。
まず、原因を探る上でも、環境を改善することから始めると良いため、以下の対処法を実践してみてください。
対処法:静かな場所で、リラックスさせる
愛犬が静かで涼しい場所で、リラックスできる環境を整えましょう。少しでも落ち着くように、優しく声をかけながら撫でることも効果的です。
また、水分補給を促しながら、呼吸が正常に戻るか様子を確認し、呼吸が荒い状態が1,2時間以上続く、または普段と違う呼吸音がする場合は、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。特に、舌や歯茎の色が紫っぽくなる場合は緊急性が高いため、速やかに病院での受診するようにしましょう。
「ウロウロする」考えられる原因
老犬が落ち着かずにウロウロと歩き回る原因には、認知症や不安、運動不足、環境の変化などがあります。特に、夜間に歩き回る場合は認知症の初期症状の可能性があるため、早めの対応が必要です。
原因 | 具体的な症状 |
---|---|
認知症 | 昼夜逆転、無目的な徘徊、同じ場所をグルグル回る |
不安 | 飼い主の外出時にウロウロする、雷や花火の音で落ち着かない |
運動不足 | エネルギーが有り余っているため、ウロウロしてしまう |
環境の変化 | 引っ越しや新しい家具の配置変更によるストレス |
常にウロウロしていると、「体に異変があるのでは?」と感じますが、単に体力が有り余っているだけの可能性があります。運動を取り入れるだけで改善する可能性もあるため、以下の対処法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
対処法:適度な運動で気分転換
愛犬がウロウロする場合、1回10分程度の散歩を1日に2~3回取り入れ、気分転換をさせてみましょう。10分程度の散歩や音の出るボールやぬいぐるみなどで軽い遊びを日常的に取り入れることで、ストレスを軽減し、リラックスさせることが可能です。
日中帯でなく、夜中にウロウロし、落ち着かない場合は以下のような対策を試してみましょう。
- 就寝前に10分程度の散歩をする
- いつものベッドの近くに飼い主の匂いのついた布を置く
- 落ち着いた音楽やアロマを活用する
この対策でも症状が続く場合は、認知症の可能性があるため、病院での受診をおすすめします。
「寝付けない」考えられる原因
老犬がなかなか寝付けない原因として以下が挙げられます。
- 体調不良(心臓病や腎臓病、肝障害など)
- 認知症の可能性(徘徊やてんかんの発作が起きる前兆)
- 環境の問題(物音や部屋の明るさ、室内温度)
このように「寝付けない」時の原因は、単に寝る環境が悪い場合もありますが、体調不良が原因で寝付けない可能性も考えられます。少しでも生活習慣に疑問を感じた際には、以下の簡単な対処法を試して、改善されるかどうかを見てみましょう。
対処法:快眠できる環境作り
犬が寝る環境を見直すところから始めましょう。老犬が快適に眠れるようにするためには、寝床の環境を整えることが最も重要です。
快眠できる環境を作るうえで、4つの対策をご紹介します。
寝床を快適にする | 柔らかいマットやクッションを用意し、関節の負担を軽減する |
---|---|
トイレの回数を調整する | 就寝前にトイレに行かせることで、夜間の頻尿を防ぐ |
夜間の刺激を減らす | 照明を暗くし、騒音が少ない場所で寝かせる。 |
就寝前にリラックスさせる | 軽いマッサージや優しく声をかけることで、安心感を与える。 |
ご紹介した5つの対処法はどれも簡単に実施できる方法です。愛犬の寝つきが悪いと感じた際にはこの方法を試してみてはいかがでしょうか。それでも睡眠不足が続く場合には、獣医師に相談し、睡眠改善のためのアドバイスを受けることも検討しましょう。
考えられる病気とは?
老犬に「息が荒い」「ウロウロ」「寝付けない」などの状態が続いている場合は、以下の病気の可能性が挙げられます。
- 認知症
- 椎間板ヘルニア
- てんかん発作
この病気は放置することで命に関わる病気でもあるため、放置することは非常に危険となります。それぞれの病気を放置した場合には以下のリスクが考えられます。
認知症を放置した場合 |
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椎間板ヘルニアを放置した場合 |
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てんかん発作を放置した場合 |
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このように放置した場合には深刻な状況となる可能性があります。怪しい症状が見られた際には、早い段階で対応することを心掛けましょう。
ここではそれぞれ3つの病気の特徴や対処法を解説しております。健康状態を少しでも維持するためにも老犬を飼われている飼い主は事前に理解をしておきましょう。
認知症
認知症は高齢の犬に多く見られる病気で、昼夜逆転、無意味な歩き回り、飼い主を認識しない、排泄の失敗などの症状があり、症状が悪化すると攻撃的な性格へ変わる可能性もあります。
▼対処法
生活リズムを整える | 朝は日光を浴びさせ、夜は暗くしてメリハリをつける。 |
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認知機能を刺激する | 知育玩具を使ったり、簡単なコマンドを教えたりして脳を活性化させる。 |
安心できる環境作り | 慣れた場所にベッドを置き、ストレスを減らす。 |
認知症の対策は普段から脳を働かせることが重要です。例えば、散歩コースを定期的に変更したり、知育玩具で遊び脳を働かせることで認知症を防ぐことができます。
大型犬は8歳を過ぎ、小型犬は10歳を過ぎた頃から予防を始めると良いでしょう。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、脊椎のクッション部分が損傷し、神経を圧迫することで痛みや麻痺を引き起こす疾患です。初期症状として、歩き方の違和感、段差を嫌がる、背中を丸める、吠えなくなるなどが見られます。重症化すると、後ろ足が動かなくなったり排泄困難につながるため、早期の治療が必要となります。
初期症状から足に痛みなどの違和感を感じることが原因で、犬の落ち着かない素振りが見受けらます。
▼対処法
安静にさせる | 過度な運動を避け、ケージレスト(ケージに入れて安静にさせる)を行う。 |
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体重管理を徹底する | 肥満は椎間板ヘルニアの悪化を招くため、与えすぎない食事の管理が重要。 |
椎間板ヘルニアの可能性がある場合は、動物病院での受診を行いましょう。
獣医師の指導のもと、鎮痛剤やサプリメントを活用した治療や水中歩行やストレッチなどの正しいリハビリ方法などの指示を受けることができます。
てんかん発作
てんかん発作は、脳の神経異常により引き起こされる発作で、突然のけいれんや意識喪失を伴うことがあります。
発作の前兆として以下の症状が見られます。
- 落ち着きがなくなる
- 異常な興奮状態になる
- 口をくちゃくちゃさせる
このような症状が見られた際はてんかん発作の可能性があることを把握しておきましょう。発作は10~20秒から2~3分で収まりますが、頻繁に起こる場合や長時間続く場合は緊急対応が必要です。
▼対処法
発作中は安全を確保する | 無理に押さえつけず、近くの家具などにぶつからないようにする。 |
---|---|
時間を計測する | 発作が5分以上続く場合や、短時間で複数回起こる場合はすぐに獣医師へ。 |
動画を撮影する | 発作の様子を記録し、獣医師に見せることで診断の参考になる。 |
もし、愛犬にてんかん発作の症状が見られた場合には焦らず、上記の対処法を行い、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
病院での受診を強く進める症状とは?
特に注意が必要なサインを5つご紹介します。この症状が見られた場合は命に関わる病気である可能性のある、緊急性の高い症状となります。
老犬を飼われている方は特に以下サインを把握しておきましょう。
- ゼーゼーする・息が荒い
- 歩き方に違和感(ふらつく・転ぶ)
- 1日中水を飲み続ける
- 異常に落ち着きがなく、飼い主から離れない
- 急に食欲がなくなる
愛犬に1つでも当てはまる症状がある場合には、すぐに動物病院での受診を行いましょう。ここでは具体的な受診を検討する目安の状態などを詳しく解説しておりますので、早期発見のためにも確認しておきましょう。
ゼーゼーする・息が荒い
老犬が特に安静時にもかかわらず、呼吸が荒くなったりゼーゼーしている場合は、心臓病や呼吸器疾患(僧帽弁閉鎖不全症、気管虚脱、肺炎、肺水腫など)の可能性があります。
▼受診を考える目安
- 安静にしても呼吸が落ち着かない。
- 呼吸時に異常な音がする。(ゼーゼー、ヒューヒュー)
- 体を丸めたり、前脚を広げて呼吸を楽にしようとする。
- 舌や歯茎の色が青紫色や白っぽい。
重篤な場合に、舌や歯茎が青紫色に変色することがあり、この症状が見られた場合は緊急受診が必要なサインです。
歩き方に違和感(ふらつく・転ぶ)
老犬がふらついたり、歩き方に異常が見られる場合、神経疾患(椎間板ヘルニア、脳腫瘍、脊髄疾患)や関節の病気(関節炎、股関節形成不全、変形性関節症)の可能性があります。また、急なふらつきや転倒は、前庭疾患(老犬に多い平衡感覚の異常を引き起こす病気)の可能性が考えられます。
▼受診を考える目安
- 突然歩き方が変わった。
- 足を引きずる、またはつまずくことが増えた。
- 立ち上がるのが難しくなった。
- ぐるぐる回る動作を頻繁に行う。
少しでも普段の歩き方に比べ、違和感を感じた際には、放置せずに動物病院で受診するようにしましょう。
1日中水を飲み続ける
異常に水を飲み続ける場合、糖尿病、腎不全、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの病気が疑われます。これらの疾患は放置すると重篤化し、腎不全や脱水を引き起こす危険性があります。
▼受診を考える目安
- 短時間で大量の水を飲む。
- 以前よりトイレの回数が極端に増えた。
- 食欲があるのに体重が減っている。
- 尿の色や臭いが変化している。
水を飲む量に違和感を感じるのは難しいため、飼い主は日常的に愛犬の水を飲む量や回数をなんとなくでも把握しておきましょう。この「なんとなく」の感覚が早期発見に繋がるきっかけとなるため、非常に重要となります。
異常に落ち着きがなく、飼い主から離れない
老犬が極端に落ち着かなくなり、飼い主のそばを離れようとしない場合は、認知症、不安障害、痛み、または内臓の不調が疑われます。特に、夜間にそわそわし続ける場合は、認知症の進行の可能性が高いです。
▼受診を考える目安
- 夜中に落ち着かず歩き回る。
- 触ると痛がる仕草をする。
- 飼い主を見つめ続け、落ち着きがない。
普段に比べ、過剰に吠えたり、震えるなどの仕草は犬が不安がっている証拠であり、飼い主の方は、認知症や精神障害である可能性が高いことを理解しておきましょう。
急に食欲がなくなる
老犬が突然食欲を失う場合、消化器疾患(胃腸炎、膵炎、胃潰瘍)、歯の痛み、腎不全、肝疾患、腫瘍の可能性があります。食欲がなくなる原因が軽度の一時的なものか、深刻な病気のサインかを判断することが重要です。
▼受診を考える目安
- いつも食べているフードを急に拒否する。
- 数日間、食事をほとんど摂らなかった。
- 嘔吐や下痢を伴う。
- 体重が急激に減少している。
通常に比べ、極端に食事を嫌う仕草が見られた場合には、なんらかの原因が関わっています。飼い主は注意深く確認する事を意識しましょう。
まとめ
老犬の落ち着きのなさは、ストレスや環境の変化だけでなく、認知症や心臓病、椎間板ヘルニアなどの病気が関係している可能性があります。そのため、日頃から愛犬の様子を観察し、異変に気づいたら適切な対応を取ることが大切です。
特に、息が荒い、歩き方に違和感がある、水を異常に飲み続ける、食欲が急になくなるなどの症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
日々のケアや環境の改善によって老犬のストレスを軽減し、快適な生活を送れるようサポートすることが飼い主の役割です。愛犬の健康を守るためにも、適切な知識を身につけ、早期対応を心がけましょう。
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