2024/09/25

犬が茶色のドッグフードを吐くのはなぜ?さらさらな場合の原因や対処法を解説

愛犬がドッグフードをそのまま吐き出して驚いてしまった経験、飼い主さんなら多いのではないでしょうか。実は、犬が自ら口にしたドッグフードをそのまま吐き出すことはよくある現象です。

とはいえ、吐き方によっては病気が疑われることもあるので、異常かどうか見分ける方法を知っておけば今後のためにもなります。
そこで本記事では、茶色のドッグフードを吐く原因やそのパターン、病院を受診する目安、考えられる病気や対処法についてくわしく解説します。

犬が茶色のドッグフードを吐く!吐き方や病院受診の目安をチェック

犬が茶色のドッグフードを吐くのには3つのパターンがあります。未消化のまま吐き出す「吐出(としゅつ)」や「嚥下障害(えんかしょうがい)」、消化済みのものを吐き出す「嘔吐」です。

吐き方や嘔吐物の色によっては深刻な病気の可能性も考えられます。もしもこれから愛犬が茶色のドッグフードを吐いたときは、どのパターンの嘔吐なのか、また受診が必要なのかどうかをチェックしておくと良いでしょう。

では、嘔吐のパターンや受診の目安についてくわしくご紹介します。

犬の吐き方は3種類ある

犬が茶色いドッグフードを吐くパターンとして、以下の3種類に分かれます。

  • 吐出
  • 嚥下障害
  • 嘔吐

吐出

吐出は、食べ物が胃に届く前に食道を逆流して吐き出す症状を言います。吐出物の特徴としては、未消化のドッグフードに粘液をともなうのが一般的です。前に飛ばすような吐き方をすることが多く、犬によっては吐出物を再び食べる行動も見られます。

吐出は犬によく見られる正常な反応なので緊急性は高くありませんが、頻繁に生じたり、体重が増えなかったりする場合は病気が潜んでいる可能性があるでしょう。

嚥下障害

嚥下障害は、飲み込む力が弱く食べ物をそのまま吐き出す状態を言います。

飲み込む力が弱くなるシニア犬や、大きなものを飲み込めない子犬によく見られる嚥下障害ですが、うまく吐き出せないと細菌や唾液などが肺に流れ込み、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあるので注意が必要です。

嘔吐

嘔吐は、一度胃の中に入った食べ物が逆流することで起きる症状です。嘔吐物の種類はさまざまで、胃液で消化されて液体化されているものもあれば、食べ物の一部が残っているケースもあります。

嘔吐の原因によっては深刻な病気が潜んでいる可能性もあるので、見過ごせません。また嘔吐物の色が変わることもあるので、受診の際はどんな色をした嘔吐物だったかを医師に伝えておくと症状が把握しやすくなるでしょう。

こんなときはすぐに病院を受診しよう

愛犬が茶色のドッグフードを吐いた際、同時に以下の症状が見られる場合は直ぐに病院を受診しましょう。

  • 1日何度も、また何日にもわたって嘔吐を繰り返す
  • 下痢の症状がある
  • 吐いたあとにぐったりしている
  • 嘔吐物に血液が混ざっている
  • 何度も吐くようなポーズ(えづく)をする

嘔吐を繰り返す場合は、消化器や内臓の病気が潜んでいる可能性があります。

また嘔吐だけではなく下痢の症状が見られる場合は、消化器や内臓の異常、または腫瘍、食物アレルギーの可能性が考えられるため、重症化する前に適切な処置が必要です。

そして吐出や嘔吐のあとに食欲がなくぐったりしている様子も、病気の可能性が疑われます。
考えられる病気もたくさんあるので、医師の診察を受けましょう。

嘔吐物に赤やピンク色のものが混ざっている場合は、体のどこかが出血しているサインでもあります。口内の傷による出血もあれば、消化器や呼吸器などの病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。

さらに、何度も吐くようなポーズをする場合は上部消化管に異常が起きている可能性があります。
胃拡張や胃捻転症候群、腸閉塞、膵炎など、重症化により深刻化する病気も考えられるので、迷わず病院を受診しましょう。

犬が吐いた茶色のドッグフードが固形なら「未消化」が原因かも

犬が吐いた吐出物がドロドロ茶色いものや、固形のままのドッグフードなら未消化が原因だと考えられます。食べたものをそのまま吐いてしまうのは、体調がすぐれなかったり、エネルギー過多による刺激だったりと、原因もさまざまです。

ここで未消化が原因の嘔吐物の特徴や、未消化で吐いてしまう原因について解説します。

未消化が原因の嘔吐物の特徴

未消化が原因の嘔吐物は、ほぼそのままの内容物であることが多いです。ドッグフードなら形そのまま、場合によって粘液をともなうこともあります。
これは、食べ物を口にしてからあまり時間を置かずに逆流した状態なので、吐出物も未消化のままとなります。

未消化で吐いてしまう原因

未消化で吐いてしまう原因には、次のようなものが考えられます。

  • 早食い・食べ過ぎ
  • 胃腸の働きが悪くなっている
  • 異物の誤飲

ではここで、未消化で吐いてしまう原因について項目別にくわしく解説します。

早食い・食べ過ぎ

早食いや食べ過ぎは犬の胃に負担がかかるため、食べた直後に吐き出すことがあります。これは生理現象の一つでもあり、犬の体の構造上吐き気を我慢できないことも吐出の理由としてあげられます。

普段から早食い気味なら、早食い防止用のフードボウルなどを活用してみるのもよいでしょう。食べすぎて吐出する場合は、食べさせすぎないよう食事管理することが必要です。食事の与え方を変えるだけで改善や予防が期待できます。

胃腸の働きが悪くなっている

胃腸の働きが悪くなると、消化不良を起こして口にしたフードを消化することができず、そのまま吐出することがあります。形状は茶色いドッグフードそのものである場合や、ふやけた状態のドッグフード、粘液が付着したドッグフードなどさまざまです。

ドッグフードは、通常3時間ほどで消化されると言われています。
しかし、3時間以上経っても未消化のドッグフードを吐き出す場合は、消化不良のサインです。

吐出を繰り返す場合は、消化しやすいフード(グレインフリー・グルテンフリーなど)に切り替えたり、胃腸の働きを整えるサプリメントを取り入れてみたりするのもおすすめ。かかりつけ医に相談しましょう。

異物の誤飲

異物の誤飲すると、体のダメージを少なくするために本能的に吐出することがあります。
特に、ネギ類やブドウ、チョコレートなどの中毒性があるものを食べた場合、嘔吐や下痢、食欲減退など緊急性が高くなる症状を引き起こすことから注意が必要です。

異物や中毒性のある食べ物の誤飲を防ぐためには、口にすると危険なものを愛犬の手の届かない場所に置くなどの対策が求められます。中毒性のあるものを口にした場合は、たとえ少量でもすぐに病院を受診しましょう。

犬が吐いた茶色のドッグフードがさらさらなら「消化器官の異常」の可能性も

未消化のドッグフードは、液状化していたり粘液が付着していたりすることが多いですが、サラサラとした液体状のドッグフードを吐き出した場合は消化器官の異常が考えられます。異常に気づくためにも、嘔吐物の特徴や考えられる病気についてチェックしておきましょう。

消化器官の異常があるときの嘔吐物の特徴

消化管の異常があるときは、嘔吐物がサラサラしているのが特徴です。場合によっては胃腸からの出血により茶褐色をしているケースもあります。赤色が濃いほど出血量が多いことを示しているため、緊急性が高いです。

茶色のドッグフードを吐くときの消化器官の病気

茶色のドッグフードを何度も吐くときに考えられる消化器官の病気については、以下が挙げられます。

  • 急性胃炎
  • 胃潰瘍
  • 胃捻転 など

急性胃炎

急性胃炎の特徴は、急な嘔吐や食欲不振です。未消化のドッグフードを吐き出した場合は、何らかの原因で急性胃腸炎を起こし、場合によって危険な状態に陥ることもあります。
あまりぐったりとはせず、激しい症状を示さないので発見が遅れがちです。未消化のフードを何度も吐くようなら、すぐに病院を受診しましょう。

胃潰瘍

胃潰瘍は、嘔吐だけではなく食欲不振や体重の減少が見られる病気です。主要部分からの出血が激しい場合は、吐血や黒色便が見られることもあります。
受診の際は、嘔吐物の内容や便の様子を調べるだけでなく、レントゲン検査やエコー検査で消化器官に異常がないかを調べます。時間が経つにつれ症状が悪化するので、早めに病院へ連れていきましょう。

胃捻転

胃捻転は、何かしらの原因で拡張した胃がねじれる病気です。伊賀風船のように膨らんで周囲の血管を圧迫すると、循環障害やショック症状を引き起こすことがあるので早期治療が必要になります。
小型犬よりも大型犬に多く見られる病気ですが、食事内容や与え方、生活習慣が起因することもあるので、環境を見直してできるかぎり予防することが大切です。

犬が茶色のドッグフードを吐くときにやるべきこと

急なトラブルでも冷静に対処できるよう、犬が茶色のドッグフードを吐いた場合にやるべきことをまとめました。

  • 自宅で安静に過ごす
  • 吐く回数やほかの症状を記録する
  • 何度も吐くようなら病院を受診する

では、それぞれの対処法について具体的に解説します。

元気があるなら家で胃腸を休ませてあげる

食べたドッグフードをそのまま吐き出した場合でも、愛犬が元気そうなら大事には至らない可能性が高いです。家で様子を見ながら、胃腸を休ませてあげましょう。

胃腸を休ませるためには、半日から1日程度の絶食もおすすめです。脱水症状にだけはならないように気をつけながら、ご飯を再開する際は少量から始めてみたり、消化に良いフードを与えてみたりするとよいでしょう。

吐く回数やほかの症状をメモしておく

今後症状が悪化して病院へ連れて行かなくてはならなくなった場合、以下のポイントを記録しておくと診察に役立ちます。

  • 吐く回数・タイミング
  • 吐いたものの内容物・形状など
  • 現在服用している薬やサプリメント
  • 嘔吐以外の症状があるかどうか

すぐに受診できない場合は、写真を撮って保存しておく方法もおすすめです。口頭で症状を説明するよりも、より具体的な症状を伝えることができます。

何度も吐くなら病院を受診する

数日にわたって何度も吐いたり、下痢の症状があったり、吐いたあとにぐったりしていたりする場合は緊急性が高い症状と言えます。取り返しがつかなくなる前に、早急に病院を受診するようにしましょう。

病院を受診する具体的な目安については、本記事の「こんなときはすぐに病院を受診しよう」を参考にしてみてください。

犬が茶色のドッグフードを吐くなら症状をよく見て対応しよう

犬が茶色のドッグフードを吐き出すのは、生理現象の一つでもあります。犬によっては吐き出したものを再び口にすることもありますが、元気や食欲があれば問題ないことが多いでしょう。
しかし、嘔吐以外の症状が見られる場合は緊急性の高い病気が潜んでいる可能性もあります。
病院を受診する際は、吐いたものの内容物や形状、回数、タイミングなどについて医師に正確に伝えるようにしましょう。