犬がキャベツを過剰摂取することで、尿路結石や腎臓結石のリスクを高める可能性があることをご存じでしょうか?キャベツには「シュウ酸」という成分が含まれており、結石を形成しやすくなります。特に水分摂取量が少ない犬や、結石ができやすい犬種は注意が必要です。この記事では、犬がかかりやすいシュウ酸カルシウム結石・ストルバイト結石・腎臓結石の原因、適切な食事管理の方法について詳しく解説します。キャベツを与える際の適切な量や、結石の予防・管理に役立つ食材を学び、正しい食事習慣を取り入れましょう。
- キャベツによる結石のリスクを高める理由
- 犬がかかりやすい結石の種類
- 結石の予防・管理に適した正しい食事管理
キャベツに含まれるシュウ酸が結石の原因
キャベツは犬にとって安全な野菜ですが、過剰に摂取すると健康上のリスクが伴います。その要因のひとつが「シュウ酸」という成分です。シュウ酸は、カルシウムと結合することで「シュウ酸カルシウム結石」を形成しやすくなり、犬の尿路や腎臓に負担をかける可能性があります。シュウ酸が体内で結晶化すると、尿がうまく排泄されず、膀胱や腎臓に結石ができやすくなります。
特に、もともと水分摂取が少ない犬や、遺伝的に結石ができやすい犬種(シュナウザー、ダルメシアン、シーズーなど)は、シュウ酸の摂取に注意が必要です。愛犬の健康を維持するためにも、キャベツの適切な摂取量を把握し、バランスの取れた食事管理を心がけることが重要です。
キャベツの与え過ぎには注意しよう
キャベツには食物繊維やビタミンCが豊富に含まれており、犬にとっても安全な食べ物ですが、食べ過ぎはいけません。大量に与えることで消化不良を起こしたり、尿路結石や腎臓結石のリスクを高める可能性や、シュウ酸が体内に蓄積され、結石の形成を促進してしまう可能性があります。
与える際には、適切な量を把握したうえで毎日でなく、週2,3回のペースを意識しながら与えましょう。
また、生のキャベツはシュウ酸の含有量が高く、加熱することでシュウ酸の量を減らすことができます。キャベツを与える際は、なるべく加熱したキャベツを与えるようにしましょう。
適切な量とは?
犬にキャベツを与える際は、適量を守ることが大切です。犬の体格に応じて、適切な量が変わるため、以下の表を参考に愛犬の適切な量を把握しましょう。
犬の体重 | 1日の適量(目安) | ポイント |
---|---|---|
小型犬(~5kg) | 20g程度 (葉1枚程度) |
生の場合はみじん切り、茹でる場合は柔らかくしてから与える |
中型犬(5~15kg) | 40〜50g程度 (葉2枚程度) |
食事のトッピングとして少量ずつ与える |
大型犬(15kg~) | 60g程度 (葉3枚程度) |
おやつ代わりに与えるか、食事の一部として適量を調整する |
また、キャベツを与える頻度は、週に2〜3回程度が適切です。毎日与えると結石リスクが高まるため、おやつ感覚で与えると良いでしょう。
犬がなりやすい結石の種類とは?
結石を放置すると排尿困難や腎不全を引き起こすこともあります。特に、水分不足や食生活の偏り、遺伝的な要因が関係しているため、愛犬の健康を守るためには、それぞれの結石の特徴を理解し、適切な予防と管理を行うことが重要です。
犬がかかりやすい結石にはいくつかの種類があり、結石ができる場所によって「腎結石」「膀胱結石」「尿管結石」など名称が異なります。その中でも以下のような種類が存在します。
- シュウ酸カルシウム結石
- ストルバイト結石
- シスチン結石
- 尿酸塩結石
- リン酸カルシウム結石
ここでは特に犬がかかりやすいとされる「シュウ酸カルシウム結石」「ストルバイト結石」「腎臓結石」の3種類の結石の特徴や予防するうえでのポイントについて詳しく解説します。
シュウ酸カルシウム結石
シュウ酸カルシウム結石は、シュウ酸とカルシウムが尿中で結びついて結晶化し、形成される結石です。この結石は、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に詰まり、排尿困難や血尿を引き起こすことがあります。特に、水分摂取量が少ない犬や、カルシウム・シュウ酸を過剰に摂取している犬はリスクが高まります。
▼主な原因
水分不足 | 尿が濃縮されるとシュウ酸カルシウムが結晶化しやすくなる。 |
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シュウ酸を多く含む食品の摂取 | ほうれん草、小松菜、ビーツ、ナッツ類などの食品が原因となる。 |
カルシウムの摂取過剰または不足 | カルシウムは適量であればシュウ酸と結びつき、便として排泄されるが、過剰または不足すると尿中のシュウ酸カルシウムが増えて結石になりやすい。 |
遺伝的要因 | ミニチュア・シュナウザー、シーズー、ヨークシャー・テリアなどの犬種はリスクが高い。 |
▼予防ポイント
水分を多く摂取させ、尿を薄める |
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シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、小松菜など)を避ける |
|
カルシウムの摂取バランスを考え、過剰摂取を防ぐ |
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この結石の原因は、栄養素の偏りが主な原因とされるため、予防するためには、食事管理を徹底する必要があります。
例えば、カルシウムやマグネシウムなどの栄養バランスに優れたシニア犬向けのフードや、水分量が多く含まれているウェットフードに変えてあげるだけでも予防に繋がるでしょう。目安として、水分量が10.0%以上のフードを選びましょう。
ストルバイト結石
ストルバイト結石は、尿のpHがアルカリ性に傾くことで形成されやすくなる結石です。主に細菌感染(膀胱炎)が原因のケースが多く、特にメス犬や高齢犬に多く見られます。
この結石を放置した場合には、膀胱や尿道に詰まり、頻尿、血尿、排尿困難を引き起こす可能性があります。
▼主な原因
細菌感染(膀胱炎) | 細菌が尿路に入り込み、尿のpHがアルカリ性に傾くことで結晶化が促進される。 |
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高タンパク食の摂取 | タンパク質の代謝物が尿中に排出され、アルカリ性に傾くことがある。 |
尿の停滞 | 膀胱炎などで尿の流れが悪くなると、結石ができやすくなる。 |
▼予防ポイント
尿のpH(酸性度)を適切に調整する(酸性寄りに保つ) |
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細菌感染を防ぐために、定期的な尿検査を行う |
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バランスの取れた食事を心がける |
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改善するには、尿のpH(酸性度)を管理してあげることが重要です。犬の尿pHを酸性にするといわれる食べ物として、以下の食べ物が挙げられます。
- 肉類:鶏肉、牛肉、豚肉、ラム肉、馬肉
- 魚類:サーモン、タラ、マグロ
- 卵:鶏卵、ウズラの卵(生ではなく加熱したものが推奨)
- クランベリー、ブルーベリー、パセリ
こちらの食べ物を軸とした食事を意識するだけでも「ストルバイト結石」の予防に繋がるため、飼い主の方は意識してみましょう。
腎臓結石
腎臓結石は、腎臓内で形成される結石で、尿路を塞ぐことで腎機能低下や腎不全を引き起こす可能性があります。特に、リンやナトリウムの摂取過多が原因となることが多く、食生活の影響を受けやすい結石です。腎臓結石の進行が進んだ場合には尿の流れが悪くなり、痛みや排尿困難を伴うことがあります。
▼主な原因
リンやナトリウムを 多く含む食品の摂取 |
加工肉、チーズ、豆腐などを過剰に摂取すると、尿中のリンやナトリウム濃度が上昇し、結石ができやすくなる。 |
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水分不足 | 尿が濃縮されることで、結石の形成リスクが高まる。 |
腎機能の低下 | 慢性腎臓病や加齢により腎臓の働きが低下すると、尿の排泄機能が乱れ、結石が形成されやすくなる。 |
遺伝的要因 | 特定の犬種(ダルメシアン、シーズーなど)は腎臓結石ができやすい傾向がある。 |
▼予防ポイント
低リン・低ナトリウムの食事を意識する |
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定期的な健康診断を受け、腎機能の状態をチェックする |
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水分摂取を促し、尿の濃縮を防ぐ |
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腎臓結石となる原因の大半は、リンやナトリウムを過剰に摂取していることが原因とされています。しかし、低リン・低ナトリウムを意識した食事管理は難しいため、療法食やサプリメントなどで栄養バランスを保つことが予防に繋がるでしょう。
【シュウ酸カルシウム結石】の犬の食事管理
シュウ酸カルシウム結石を予防・管理するためには、シュウ酸を多く含む食品を避け、尿の濃縮を防ぐために十分な水分を摂取させることが重要です。
また、カルシウムの摂取バランスにも気をつける必要があります。カルシウムが不足すると、腸内でシュウ酸と結びつかずに体内に吸収され、尿中のシュウ酸濃度が上昇し、結石の形成リスクが高まります。
一方で、カルシウムを過剰に摂取すると逆に結石の原因となるため、1日600~800㎎を目標に食事ごとにカルシウムを意識して摂取する事が重要です。
「鶏肉」「かぼちゃ」などの低シュウ酸食品はOK!
低シュウ酸食品は、シュウ酸カルシウム結石のリスクを抑えるために積極的に取り入れたい食材です。
また、シュウ酸カルシウム結石を持つ犬には、シュウ酸とカルシウムのバランスが取れた食事が大切です。カルシウムは適量を摂取することで、シュウ酸と腸内で結合し、体外へ排出しやすくなります。
▼おすすめの低シュウ酸食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
肉類 | 鶏肉(胸肉・ささみ)、豚肉、牛肉(赤身) |
野菜 | かぼちゃ、キャベツ、ブロッコリー(茹でたもの) |
穀物 | 玄米、白米、オートミール |
乳製品(適量) | カッテージチーズ、プレーンヨーグルト |
食事の際は、シュウ酸を多く含む食品を避け、低シュウ酸を中心とした食事を意識しましょう。また、調理する際のポイントとして、茹でる・蒸すことでシュウ酸の量をさらに減らす効果があるため、可能な範囲でこの工程を加えた食事を与えてみてはいかがでしょか。
「ほうれん草」「小松菜」などのシュウ酸を多く含む食品はNG
シュウ酸を多く含む食品は、シュウ酸カルシウム結石の形成を促進するため、避けるべきです。特に、ほうれん草や小松菜はシュウ酸含有量が高く、食べ過ぎることで「シュウ酸カルシウム結石」のリスクが高まります。
人間にとっては栄養価が高く健康的な食材ですが、犬にとっては結石のリスクを高めるため、特に過去に結石を患っている犬は注意が必要です。
▼シュウ酸を多く含むNG食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
野菜 | ほうれん草、小松菜、ビーツ、さつまいも |
ナッツ類 | アーモンド、ピーナッツ、クルミ |
果物 | いちご、ブルーベリー、ラズベリー |
豆類 | 大豆、枝豆 |
これらの食品を避け、低シュウ酸食品を中心にバランスの良い食事を心がけることが大切です。また、ドッグフードの中にはナッツ類が含まれている種類もあるため、普段与えているフードの成分表も事前に確認することをおすすめします。
【ストルバイト結石】の犬の食事管理
ストルバイト結石は、尿のpH(酸性度)がアルカリ性に傾くことで結石ができます。ストルバイト結石の犬のケアには、「酸性食品」、「アルカリ性食品」をバランスよく食事で取り入れること重要です。また、水分をしっかり摂取し、尿を十分に排出することで、細菌感染や結晶の形成を防ぐことができます。
以下で「酸性食品」、「アルカリ性食品」をそれぞれ解説しているため、それぞれの食材を組み合わせてバランスよく摂取しましょう。
「魚」「卵」などの尿を酸性にする食品はOK!
尿を酸性に保つ食品は、ストルバイト結石の予防・管理に役立ちます。特に動物性タンパク質が豊富な食品は、尿のpHを下げる効果があります。
▼尿を酸性にするおすすめ食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
魚類 | サーモン、タラ、マグロ |
肉類 | 鶏肉(ささみ)、牛肉、ラム肉 |
卵類 | 鶏卵(加熱調理したもの) |
果物 | クランベリー、ブルーベリー |
ビタミンCを含む食品 | パセリ、ブロッコリー、リンゴ |
ストルバイト結石を予防するためにも、ドッグフードだけでなく、上記の食材を使った食事管理を徹底することが大切です。食事に水分を加えたり、ウェットフードを取り入れることで、尿の排出を促し結晶の形成の防止に繋がるため、まずはフードの種類から見直してみると良いでしょう。
「レバー」「チーズ」などの尿をアルカリ性にする食品はNG
ストルバイト結石の犬にとって、尿がアルカリ性に傾くことは結石の形成を促進する要因となります。 そのため、尿のpHを上昇させる食品はできるだけ避けることが重要です。
特に「レバー」や「チーズ」などの食品や乳製品は、高タンパク・高リンであり、過剰に摂取すると尿がアルカリ性に傾きやすく、ストルバイト結石のリスクを高めます。
また、塩分を多く含む加工食品も尿のpHバランスを崩す原因となるため、注意が必要です。
▼尿をアルカリ性に傾けるNG食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
乳製品 | チーズ、ヨーグルト、牛乳 |
内臓類 | 鶏レバー、豚レバー、牛レバー |
野菜類 | じゃがいも、人参、カリフラワー |
加工食品 | ハム、ソーセージ、ベーコン |
この食材は高リン・高タンパクで尿のpHを上昇させやすい食べ物であるため、ストルバイト結石を患っている犬はもちろん、予防するうえでも与え過ぎないことを意識しておきましょう。
【腎臓結石】の犬の食事管理
腎臓結石を防ぐためには、リンやナトリウムの摂取量を抑え、腎臓に負担をかけない食事を意識することが重要です。腎臓は体内の老廃物を排出する役割を持っていますが、結石ができると尿の流れが悪くなり、腎機能が低下する原因になります。
腎臓結石の予防には、低リン・低ナトリウムの食事を意識し、体内の老廃物をスムーズに排出できるよう水分摂取を促すことが大切です。
「鶏むね肉」「白米」などの低リン・低ナトリウムの食品はOK!
鶏むね肉や白米などは、低リン・低ナトリウムで腎臓への負担が少ないため、腎臓結石の予防や管理に適した食材です。
▼腎臓結石予防におすすめの食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
肉類 | 鶏むね肉、ささみ、ラム肉 |
穀類 | 白米、オートミール、玄米(適量) |
野菜類 | かぼちゃ、キャベツ、ブロッコリー(茹でたもの) |
果物類 | りんご、梨、スイカ |
腎臓結石の予防には、リンの摂取量を管理することが重要です。市販のドッグフードを選ぶ際には、リン0.3%〜0.5%辺りの「低リン」や「腎臓サポート」などの記載があるものを選ぶとよいでしょう。
「豆腐」「ハム」などのリン・ナトリウムを多い食品はNG
リンやナトリウムを多く含む食品は、腎臓への負担が大きく、結石のリスクを高めるため避けるべきです。特に、加工食品や内臓系の食品はリン含有量が高いため、腎臓に負担をかけやすくなります。
▼腎臓結石のリスクを高めるNG食品
カテゴリー | 例 |
---|---|
大豆製品 | 豆腐、納豆、大豆ミート |
加工食品 | ハム、ベーコン、ソーセージ |
乳製品 | 牛乳、チーズ、ヨーグルト |
魚介類(干物) | 干しエビ、煮干し、スルメ |
腎臓結石の犬には、塩分(ナトリウム)やリンを多く含む食品を避け、腎臓に優しい食材を選ぶことが大切です。
代替として、豆腐の代わりに「かぼちゃ」「さつまいも」、ハムの代わりに「鶏ささみ」などを与えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
キャベツは犬にとって健康的な食材ですが、過剰摂取は尿路・腎臓結石のリスクを高めるため与える際は必ず適切な量を理解したうえで与えましょう。
結石と言っても、シュウ酸カルシウム結石・ストルバイト結石・腎臓結石、それぞれ異なる原因で発症します。この記事ではキャベツを題材に解説しておりますが、食事管理を怠ってしまうといずれかの結石のリスクが高まります。この機会に愛犬の食事管理を見直してみてはいかがでしょうか。
適切な食事管理を徹底することで、結石のリスクを減らすことができます。
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