2025/02/27

糖尿病の犬が食べてはいけないものとは?血糖値を上げない食事療法を解説

犬の糖尿病は、飼い主にとって大きな課題の一つです。この病気は進行すると深刻な健康問題を引き起こし、適切な管理が求められます。本記事では、糖尿病の犬が食べてはいけない食べ物や、血糖値を安定させるための食事療法について詳しく解説します。また、糖尿病の原因や症状の進行についても説明し、飼い主ができる対策を紹介します。愛犬の健康維持のために、適切な食材選びと生活習慣の見直しを行いましょう。

この記事を読んで分かること
  • 糖尿病の症状の進行と特徴
  • 糖尿病の主な原因
  • 正しい食事療法
  • 糖尿病を患った犬の食材の選び方

糖尿病の初期~末期症状について

犬の糖尿病は、初期段階では目立った症状が見られないことが多いですが、進行するにつれて食欲不振や衰弱などの深刻な状態へ陥る可能性があります。
初期症状を把握しておくことで、早期発見のきっかけとなるため、初期から末期までの症状を理解しておきましょう。

▼以下、段階別の症状と特徴

段階 症状 特徴
初期
  • 多飲多尿
  • 食欲の増加
  • 体重減少
  • 疲れやすい
インスリン不足により糖をエネルギーに変換できず、エネルギー不足となる。尿の回数が増え、水を大量に飲むことで脱水症状を引き起こすことがある。
中期
  • 倦怠感
  • 目の白濁(白内障)
  • 皮膚の感染症
  • 毛艶の低下
  • 頻繁な感染症
血糖値の変動が大きくなり、視力障害(白内障)が進行しやすくなる。免疫機能が低下し、皮膚炎や膀胱炎などの感染症を繰り返しやすくなる。
末期
  • ケトアシドーシス

(血液の酸性化)

  • 極度の脱水
  • 昏睡状態
  • 嘔吐、呼吸困難
体内のエネルギー供給が崩壊し、緊急性の高い状態になる。ケトアシドーシスにより体が酸性に傾き、放置すると命に関わるため、すぐに治療が必要

糖尿病は段階により、見られる症状が大きく異なり、特に、末期の場合は命に関わるため、すぐさま治療が必要となります。
糖尿病の可能性が考えられる場合は症状を参照し、現在の愛犬の糖尿病の段階を把握することで適切な処置を行うことができます。

考えられる原因について

犬の糖尿病の原因は犬種の遺伝子によるものや、偏った食生活など、原因はさまざまです。この記事では、糖尿病になりやすいとされる5つの原因について紹介します。

遺伝的要因 特定の犬種(ミニチュアシュナウザー、トイプードル、ダックスフンドなど)は糖尿病になりやすい傾向があります。遺伝的な要因を持つ犬は、特に食事や運動管理に注意が必要です。
肥満 高カロリーな食事を長期間続けると、血糖値を下げる機能が低下し、糖尿病を発症するリスクが高まります。
運動不足 運動をしないと代謝が低下し、血糖値が上昇しやすくなります。特にシニア犬は運動不足になりやすいため、毎日の10分以上の散歩を取り入れましょう。
ホルモン異常 ホルモンバランスの乱れによる病気が糖尿病の発症を促進することがあります。脱毛や皮膚炎など症状が見られる場合は、早めの診断と治療が求められます。
加齢 中高齢の犬は血糖値を一定に保つ機能が低下するため、糖尿病のリスクが高くなります。加齢に伴い、食事や運動の管理をより厳密に行うことが推奨されます。

犬の糖尿病は遺伝や年齢などコントロールできない要因もありますが、食事管理や運動、定期的な検診で健康状況を把握するなどの対策で発症リスクを下げることができます。飼い主は愛犬の健康を守るためにも、原因について理解しておきましょう。

血糖値を急激に変動させない食事療法が重要

糖尿病の犬には、血糖値の急激な変動を防ぐ食事療法が必要です。血糖値の急上昇を防ぐことは、インスリンの分泌を安定させ、合併症のリスクを軽減することにもつながります。以下のポイントを意識した食事管理が重要となります。

低GI食品を活用する

理由 血糖値の上昇を抑えるため、GI値(グリセミック・インデックス)が低い食品を選ぶことが重要です。低GI食品は、消化・吸収が緩やかで血糖値の急変を防ぐ効果があります。
推奨される食品 玄米、大麦、全粒粉パン、サツマイモ、アスパラガス

食事の回数を増やし、小分けにする

理由 犬の血糖値を安定させるためには、一度に大量の食事を与えるのではなく、量を減らし数回に分けて与えるのが理想的です。これにより、血糖値の急激な上昇を防ぎ、エネルギーの安定供給が可能になります。
食事の頻度 1日3~4回に分けて与える

バランスの取れた栄養摂取を心がける

理由 糖質を抑えつつ、適切なタンパク質と食物繊維をしっかり摂取することが大切です。ドッグフードのみでは補いずらいビタミンやカルシウムなどの栄養素はサプリメントで補いましょう。
推奨される食品 鶏のささみ、白身魚、豆腐、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ

食事療法は、単に血糖値を管理するだけでなく、糖尿病の進行を防ぐ役割もあります。愛犬の健康を守るために、食事の質を見直し、適切な栄養バランスを意識した管理を行いましょう。

糖尿病の犬に与えてはいけない食べ物

糖尿病の犬には、血糖値を急激に上昇させる食べ物を避ける必要があります。血糖値の急変はインスリン(血糖値を一定に保つ働き)の負担を増やし、糖尿病の進行を早める可能性があるため、糖尿病の犬には適切な食材選びが重要です。

以下で糖尿病の犬に与えてはいけない食べ物をご紹介しているため、何を与えて良いか不安な方は参考にしてみてください。

「さつまいも」「バナナ」などの糖分が多く含まれる食べ物

果物や糖質の多い野菜には血糖値を急激に上げるリスクがあるため、糖尿病の犬は避けるましょう。
避けるべき糖質の多い食品だけでなく、代替食材も合わせてご紹介します。

避けるべき糖質の多い食品 代替食材
果物
  • バナナ
  • ブドウ
  • マンゴー
  • リンゴ
  • パイナップル

果物の代わりに

  • ブルーベリー
  • ラズベリー(糖質が低め)

野菜

  • カボチャ
  • ニンジン(特に加熱したもの)
  • ジャガイモ
  • トウモロコシ

野菜の代わりに

  • ブロッコリー
  • ほうれん草
  • アスパラガス
  • キャベツ

糖質が多く含まれる食品を与えると、血糖値の急上昇を招き、糖尿病の管理が難しくなります。代替食品をうまく取り入れながら、血糖値の安定を図りましょう。

「肉」「乳製品」などの高脂肪の食べ物

高脂肪の食事はインスリンの効き目を低下させるため、避けるべきです。特に肉類、乳製品などの飽和脂肪酸が多く含まれる食品は、体重増加やインスリン抵抗性を引き起こしやすく、糖尿病の犬には不適切です。ここでも避けるべき食品と代替食材をご紹介します。

避けるべき脂質の多い食品 代替食材
脂肪の多い肉類
  • 脂肪の多い肉類:

  • 牛肉(脂身部分)

  • 豚肉(バラ肉)

  • 鴨肉

低脂肪の肉類

  • 鶏のささみ
  • 白身魚(タラ、ヒラメ)

加工肉

  • ソーセージ
  • ベーコン
  • ハム

植物性タンパク質

  • 豆腐
  • 大豆製品

乳製品

  • バター
  • チーズ
  • クリーム
  • 全乳

低脂肪・低カロリー:

  • ココナッツオイル
  • オリーブオイル
  • プレーンヨーグルト

上記の他にも、市販のおやつは高脂肪のものが多いため、糖尿病の犬はなるべく控え、もし与えたい場合は「低脂肪おやつ」を選びましょう。

高脂肪の食材は、血糖値のコントロールを難しくするだけでなく、肥満や心臓病のリスクも高めます。低脂肪で良質なタンパク質を中心に食事を構成し、代替食品を活用した食事管理を意識してみてはいかがでしょうか。

糖尿病の犬におすすめの食べ物

糖尿病の犬には、血糖値を安定させるための食材を選ぶことが大切です。食事管理を適切に行うことで、血糖値の急変を防ぎ、健康状態を維持することができます。

糖尿病の犬に与えて問題ない食べ物を紹介しておりますので、「何を与えて良いか分からない方」はぜひ参考にしてください。

タンパク質が含まれる食べ物

良質なタンパク質は血糖値の管理に役立ち、筋肉の維持や代謝のサポートにもなります。糖尿病の犬は筋肉量が低下しやすいため、適切なタンパク質を摂取することが重要です。

おすすめのタンパク質源
  • 鶏のささみ
  • 鶏むね肉
  • 白身魚(タラ、ヒラメ)
  • 鹿肉、七面鳥肉
  • 大豆製品(豆腐、納豆、おから)、レンズ豆、ひよこ豆
  • 卵(少量であれば与えても良いが、過剰摂取は注意)

手作り料理を与える際は、肉などの皮部分を取り除き、なるべく脂肪の少ない部分を選ぶようにしましょう。

また、筋肉量が低下した場合には以下のリスクが高まるとされています。

  • 転倒しやすくなる
  • 肺炎や感染症にかかりやすくなる
  • 生活習慣病のリスクが高まる
  • 基礎代謝量が減少し、太りやすくなる

このように、筋肉量の低下によるさまざまな影響が考えられるため、糖尿病の犬に対してはタンパク質を日常の食事で補うことを意識しましょう。

食物繊維が豊富な野菜

食物繊維は血糖値の上昇を抑え、腸内環境を整える効果があります。特にオクラやほうれん草に含まれる水溶性食物繊維は血糖値の安定に役立ち、ゴボウやブロッコリーに含まれる不溶性食物繊維は便通を改善する効果があります。

食物繊維が豊富なおすすめの野菜
  • オクラ
  • モロヘイヤ
  • キャベツ
  • カリフラワー
  • かぼちゃ(少量)
  • ブロッコリー
  • ほうれん草
  • ゴボウ
  • セロリ

犬が消化しやすくするため、生のままではなく、茹でる・蒸すなどの工程を加えて与えることで犬にとっても食べやすくなるでしょう。また、血糖値の上昇を抑えるだけでなく満腹感が得られやすくなり、過剰な食欲を抑える効果も見込めるため、ドックフードだけでは補いきれない栄養素を手作り料理で補いましょう。

低脂肪の食べ物

脂肪分を抑えた食事は、体重管理や血糖値の安定に役立ちます。過剰な脂肪摂取はインスリンの働きを低下させるため、適度な脂質を取り入れながら、脂肪の摂取量をコントロールすることが大切です。

おすすめの低脂肪食品
  • 鶏むね肉(皮なし)
  • 七面鳥肉
  • 白身魚(スズキ、タラ)
  • 低脂肪のドッグフード(糖尿病用、低脂肪・高タンパクのものを選ぶ)
  • 発酵食品(無糖のヨーグルト、カッテージチーズ:適量)

また、料理の際には亜麻仁油、えごま油などの健康オイルを使用し、少しでも余分な油を削減することで肥満体を防ぎ、血糖値を安定させることができます。

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完治はできる?

犬の糖尿病は、現時点では完治が難しい疾患です。しかし、適切な食事管理を行うことで症状をコントロールし、健康的な生活を送ることが可能です。糖尿病の進行を抑え、合併症を防ぐためには、継続的な治療とライフスタイルの改善が重要になります。

▼健康的な生活をサポートするためのポイントを3つご紹介します。

インスリン治療:多くの犬はインスリン注射が必要となります。犬の糖尿病の大半が1型糖尿病(自己免疫により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンを分泌できなくなる)に分類されるため、外部からのインスリン補充が不可欠です。


食事管理:血糖値の安定を図るため、毎日同じ時間帯に食事を与えたり、高タンパク質、低脂肪の食材や食物繊維を豊富に含む食事を取り入れることを意識しましょう。   
   
定期的な健康チェック:1~2ヶ月に1回など定期的に動物病院で血糖値の測定や尿糖チェックなどの定期的な診断を受け、健康状態を常に確保しましょう。

尿病の犬は、完治することは難しいものの、愛犬の糖尿病をしっかりと管理し、少しでも快適な生活を送れるようサポートしていきましょう。

まとめ

糖尿病の犬には、適切な食事管理と生活習慣の改善が欠かせません。血糖値の急激な変動を防ぐため、低GI食品を活用し、食事の回数を増やすことが推奨されます。
また、高糖質・高脂肪の食材を避け、タンパク質や食物繊維を豊富に含む食品を取り入れることで、血糖値の安定に役立ちます。

インスリン治療や定期的な健康チェックも重要であり、獣医師の指導のもとで適切な管理を行う必要があります。

糖尿病は完治が難しい病気ですが、適切な治療とケアを続けることで、愛犬が快適な生活を送ることができます。飼い主として、愛犬の健康を守るために、日々の食事と健康管理に気を配りましょう。